チャイルドシートの安全基準の話  Baby-Pro REPORT22
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Baby-Pro REPORT 22
[チャイルドシートの新安全基準のはなし]

安全基準がどうなるの?
アイソフィックスってなに?

  
 



チャイルドシートの安全基準が変わりました 
 

2006年10月1日 道路運送車両の保安基準改正が施行されました。この中にはチャイルドシートの安全基準の改正も含まれています。

あいにく公表された情報は極めて少なく、憶測による、さまざまな情報が行き交っています。Baby-Proでは、関係者のご協力をいただいて、ユーザーや販売店に必要と思われる情報を整理して解説を試みます。

 

改正理由
【安全基準の強化】
こどもの交通事故死者数の低減に向けて、チャイルドシートの容易かつ確実な取り付けを実現する
【基準の国際調和】
自動車産業のグローバル化が急速に進展していることに伴い、基準の国際調和を進める
改正の概略
 チャイルドシートに対して欧州統一基準の「ECE規則44号」を国内採択】
ECE/R44の採択により、車両やチャイルドシートに関する安全基準の強化をはかり、
同時に国際的相互認証を実現する
 
 車両に対して汎用ISOFIX取付装置の義務化】
装着される車側の環境整備のため、ISOFIXなどの取り付け部位の規定にかかわるECE規則14号、シートベルトの規定に関するECE規則16号もあわせて国内基準と整合化する
実施時期
 2006年10月1日施行  完全適用 2012年7月1日  
2012年6月までは、今までのチャイルドシートの販売が可能ですが、
2012年7月以降は、新しい基準で認可を受けたものしか販売できなくなります。


改正点の具体例 
新しい安全基準
(ECE R44/04
相当)
以前の国内基準
137ニュートン(14kg)以下
規定はありません
衝撃を緩衝する材料で
覆われていること
規定はありません
(資料提供 リーマン株式会社)

ほんの一例です。このほかにも綿密かつ詳細な規定があります。
 


ISOFIXに関する変更点(チャイルドシート側)

汎用チャイルドシート(カテゴリーI 9〜18キロ・前向き装着シート)について、
認証テストに合格した上で、上記の3つの表記が義務付けられます。

 
 
  
ISOFIXに関する変更点(車両側)

 
 

規格に沿ったアンカレッジの装備の上、上記のような適合性一覧の表を
取扱説明書に表記することが義務付けられています。

 




Q 今、持っているチャイルドシートは使えなくなるの?
A 今のまま使用可能です。

すでにユーザーが購入しているチャイルドシートに対しての規制はありません。

製造や販売をする側には時限があります。2006/10月の施行以後、順次、新しい安全基準に適合したチャイルドシートが開発されていき、2012年7月1日に完全適用となりますので、その後は古い安全基準でしか認可を受けていないものは、製造・販売ができなくなります。


Q 新しい安全基準を充たす製品の発売もすぐに始まるのですか?
A これから数年かけて、徐々に製品が生まれていきます。

2012年7月1日までのリードタイムの間は、現行商品が継続して販売されますが、
2007年から、新しい安全基準の認証を受けた製品および車が登場してきて、
徐々に入れ替わっていくでしょう。



ただし、欧州からの輸入品については、すでにECE/R44の認証を受けていますので、新しい安全基準を充たしている製品とみなすことができます。

ECE/R44適合品の例
   ・ ドイツ レーマー社 
   ・ オランダ マキシコシ社 

   ・ フランス ナニー社 ・ イギリス シルバークロスなど 

国内メーカーのチャイルドシートでも、2006年10月現在、ECE/R44の認可を受けている製品があります。

例 タカタ ジュニアシート312-NEO ・ リーマン パミオウーノ など


 
Q アメリカのチャイルドシートは、どうなるの?
A FMVSSではなく、ECE/R44の認定品でなければ輸入・販売できなくなります。

欧州安全基準 ECE/R44と、アメリカ安全基準 FMVSS 213(Fedral Motor Vehicle Safety Standards)は、日本の安全基準相当とみなされて、輸入・販売が許可されていましたが、これからは、国際的相互認証の方向を目指すため、ECE/R44に統一されます。完全適用の2012年7月からはアメリカ規格のチャイルドシートは国内で販売できなくなります。
欧州とアメリカ以外の国のチャイルドシートは、もとより使用が認められていません。 

Q ISOFIX(アイソフィックス)ってなんのことですか?
A チャイルドシートの取り付けを、容易で確実なものにする固定装置です。

新しい安全基準には、ISOFIXに関する規定も含まれており、このことで、いろいろな種類の車にも、常に同じ方法で確実な固定がしやすくなります。

初期のISOFIXは、下部の座席に埋め込まれた2箇所の金具にチャイルドシートを固定する仕組みでしたが(右図参照)、今回採用される方式は、チャイルドシートの傾きを抑えるために、上部のテザーと呼ばれるベルトを取り付けます。

つまり、車側にも下部の金具2ヶ所(ロアアンカレッジ)と、上部のフック1カ所(トップテザーアンカレッジ)が必要となりますし、チャイルドシートもそれに適合する必要があります。

※普通にシートベルトで固定できる製品も存続しますので、ISOFIXを選ぶかどうかは任意です。
採用の決定したISOFIXの仕組み
Q ISOFIXなら、絶対にミスユースはなくなるのですか?
A 絶対ではありませんが、限りなく少なくなります。

シートベルトで装着する場合には、製品ごとに取り付けの仕方も違いますし、力加減で取り付け強度に差が生じますが、ISOFIXなら老若男女どのような方が付けても比較的安定した取り付けが可能です。ただし、ロアアンカレッジへの固定金具の装着は、古い車両では座席下で手さぐり的に行うようになる場合がありますので、確実な固定を確認しましょう。テザーベルトの装着を忘れると効果が半減しますので、うっかりの付け忘れがないように注意しましょう。

新しい基準では座席を押さえずとも金具が視認できるか、または位置を示す表記が規定されます。

 
Q 今までのISOFIXとこれからのものは、何か違うのですか?
A ISOFIX製品の「汎用品」が初めて販売されるようになります。

すでにディーラーオプションなどでISOFIX製品は流通していますが、今までは使用する対象車両を指定することで保安基準を充たしていました。というのは、ISOという名こそ付いていても、実際に日本ではISOFIXが統一基準として制定されていなかったので、具体的に指定車両に、当該チャイルドシートを装着し、衝撃テストなどを行って安全性を証明する必要がありました。そのため、今までは各車メーカーの純正チャイルドシートしか取り付けすることができませんでした。

2006年10月以降は、正式に統一基準ができましたので、車もチャイルドシートも整合が取れて、汎用性のある製品が開発されていきます。
 
Q ISOFIXの金具がすでに座席に付いています。
  どのメーカーのISOFIXチャイルドシートでも使えるのですか?
A 取り付け可能でも、「非合法」となるパターンが、当面かなり多いでしょう。

この部分はややこしいのでまずは図解にて。
1.2.は今までと同様の例。3.4.が今後登場する注意すべき例です。


組み合わせに見る適合の注意
  9〜18キロ 幼児用
チャイルドシート
  車両 適合
1 + 指定車両、
つまりは純正の
組み合わせなら
今まで通り
旧ISOFIX製品
(純正)
規格統一以前のアンカレッジ装着車
(指定車両)
 
2 + 車両指定を条件に
認可がおりているので
指定の組み合わせ以外は
×
これも今まで通り
旧ISOFIX製品
(純正でない他メーカー)
規格統一以前のアンカレッジ装着車
(指定車両でない他メーカー)
 
3 + チャイルドシートは汎用だが
車のアンカレッジが、
新しい基準の認証を
受けていないので
×
※合法と誤解を招きやすい
注意すべき組み合わせ
新ISOFIX製品 規格統一以前のアンカレッジ装着車
 
4 + 新基準のもと、取付装置の
サイズと等級が一致すれば、
メーカーにかかわらず
新ISOFIX製品 新安全基準アンカレッジ装着車
(主に2007年以降の新型車両)

上記のいずれのパターンでも、ほとんどのケースで取り付け自体はできてしまいます。
取り付けはできるけれど、合法ではない、というところが話を難しくしています。
 
 


欧州車をもっている方が、欧州の汎用ISOFIX製品を使用することは、今度の改正で合法となります。

ただし、条件があります。欧州でもISOFIXの規則が施行されたのは2006年2月ですので、それ以降に認可を受け、ECE規則14号(ISOFIXなど取り付け装置に関する車側の規則)の適合が確認された車両でなければ、合法とならないのです。(車両のマニュアルに適合性一覧表があり、IUFの表記があることで確認できます。)

欧州では、それ以前の車両でも、同等の装備がある車両については、追加認証がされているようですが、日本国内ではそれは適用されないと聞いています。それが事実なら、施行後、当分の間、該当車両は極めて少ないでしょう。この部分は現在継続して、調査中です。
 

日本車の場合も理屈は同じです。

2006年10月の安全基準の改正が反映していない日本の車両については、アンカレッジが付いていても、統一基準ができる前のものなので、正式には規定外となり、汎用のISOFIX製品を取り付けて使用することができません。純正のISOFIX対応チャイルドシートのみ合法です。

安全基準の認可は、すでに販売されている車両について、さかのぼっては行わる予定はありません。

ロアアンカレッジもテザーアンカレッジもすでに付いている車の場合、技術的な条件としては、何の問題もないケースが多数ありえます。けれど、車が2005年式などで、マニュアルに適合性一覧表がなく、「IUF」の表記がない場合は、新しい規則に準じていることが証明されないので、やはり非合法です。

「使えるんだったらいいじゃないか」という方も増えるような気がします。法的な裏づけはなくても、現実的にかなり万全な取り付けをすることができるでしょうから、非合法と言っても納得されないユーザーもいらっしゃるでしょう。

ただし、ユーザーは「自己責任」と認識する必要がありますし、販売業者もこうした組み合わせを推奨するようなことは、自粛しなければならないでしょう。

双方、あわてないことが大切なようです。
理屈を理解したうえで冷静な判断をしましょう。

 



Q シートベルトで固定するものより、やはりISOFIXの方がいいのでしょうか?
A ISOFIXの方がより安全性は高まります。

ISOFIXの目指すものは、2つあります。

共通の方法で、ミスユースなく、確実な固定を行うこと
・安全性をより高めること

シートベルト固定のものも、増し締め機能やレイアウトの工夫で、昔と違って性能は格段に良くなっています。知識のある方、要領を得ている方なら、シンプルな安価モデルでも、万全な取り付けと高い安全性が実現できます。
 
しかし、 取り付けに関する知識、認識に乏しい方も少なくなく、取り付けがきちんとできるかどうかが、育児の現場では大きな問題になっています。2005年JAF調べのデータをご紹介します。

 チャイルドシートを使用している  49.1% 
 (使用者の中で) チャイルドシートを緩みなく、きちんと取り付けできている  37.7% 
 全体の中で、チャイルドシートの適切な使用ができているのはわずか2割程度

これらの不適切な使用による死亡・重症率は、適正使用の場合より当然高まります。
(2004年警察庁資料より)。
 チャイルドシートを適切に使用していながら死亡・重症に至ってしまう確率  140人に1人 
 チャイルドシートを適切に使用できていない場合に、死亡・重症に至ってしまう確率   30人に1人 
 死亡・重症の可能性がある大きな事故でも、4人に3人はチャイルドシートで助かるということです。

こうしたことからISOFIXの役割はとても重要となってきます。

それと、より剛性感の高い取り付けができるISOFIXでは、子供への事故時のショックも最小限に収めることができ、取り付けが簡単ということとともに、安全性も向上をさせることができるのです。

あとは現実的な問題として、ユーザーをひきつける価格、デザインや機能、カラーバリエーションなどをいかに充実できるかです。せっかくISOFIXが規格化されても、選ぶ楽しみもなく、高価格であれば、浸透していかないでしょう。

 
Q ユニバーサルとは何ですか?
A 安全基準の認可シールに表記される「汎用カテゴリー」のことです。

車とチャイルドシートで汎用規格を双方充たしていれば、
メーカーの区別なく取り付け・使用ができます。
こうした製品をユニバーサルといいます。


基本的に乗用車であれば、車種にかかわらず使用できる「汎用」のチャイルドシートは、「UNIVERSAL」というカテゴリーに分類されます。製品のステッカーに表記が加わります。

これに対して、ディーラーオプションに多い車両指定品は「ビークル スペシフィック」といって、「VEHICLE-SPECIFIC」という表記になります。

このほか、ある程度の適合条件がある製品は、「SEMI-UNIVERSAL」
「準汎用」といって適合データを必要とします。床に突っ張る足が付いている製品は
基本的にこれにあたります。

このほか、「RESTRICTED」という限定使用のカテゴリーもあります。

Q 後ろ向きで使用するベビーシートのISOFIXはどのような仕組みなのですか?
A ベビーシートに付いては「準汎用」のISOFIXの規定となります。
シートベルト固定でも十分な性能を発揮



体重9〜18キロの前向き装着の幼児用チャイルドシートについてのみ、汎用ISOFIXが法整備されます。

乳児用のベビーシートに付いては、「準汎用」のISOFIXの規定(セミユニバーサル)について規定がされます。つまり使用できる車両が限定され、公表された適合車種についてのみ使用可能です。

ベビーシートのISOFIXはロアアンカレッジと床へ突っ張る足を併用して姿勢維持を実現するものが主流です。

すでに対応するベビーシートが欧州で発売されていますが、
2006年現在、日本車については適合データがないため、これらの製品の活用は
しばらくの間、適合データのある欧州車に限られるでしょう。

乳児用ベビーシートについては、シートベルトで固定する場合でも、赤ちゃんを完全にぐるりと取り巻いて保護しますので、サポート性能が極めて高く、一部の専門家の間では、ISOFIXのような仕組みは、必要の度合いが低いと見られています。したがって、予算的に厳しければ、無理にISOFIXに固執することはありません。


下記はレーマー、右上はマキシコシのISOFIX対応製品です。

※補足 シートベルト固定のできるベビーシート本体は汎用(UNIVERSAL)です。
      足つきベースメントには、準汎用(SEMI-UNIVERSAL)のシールが貼ってあります。
Q ジュニアシートにもISOFIXがあるのでしょうか?
A ベビーシートと同様に、準汎用(セミユニバーサル)の規定となります。

ジュニアシートの場合は、直接的な拘束は、車のシートベルトそのものを使用しますので、ISOFIXを使用しても、正面方向の衝撃に対しては、効果は顕著でないようです。
ただし、側面衝突に対しては効果が高いという実験報告がありますので、製品の開発が進むと思われます。

 
Q 日本のチャイルドシートは重たいものが多いので、
     ISOFIXの方が相性がいいのでしょうか?
A ISOFIXでも15キロまでに限定されています。

いくら金具固定でも、慣性力を考えれば、過度の重量増は歓迎されません。
また、多機能さが重量増につながっていた日本製品は、その構造の複雑さが強度的な不安も引き起こす可能性があり、構造的にシンプルな製品が改めて見直されるきっかけとなるでしょう。

 
Q ISOFIXと、シートベルト固定の製品と、どちらが良いのでしょうか。
A きちんとした取り付けに留意できるなら、シートベルト固定のものでも必要十分ですが、より良いものを望むなら確かにISOFIXに軍配が上がるでしょう。ただし、個別の性能差がありますので、チャイルドシートアセスメントなどを参考にしていく必要があります。

実際には、予算というものが一番影響するでしょう。ベビーシートひとつとっても、通常なら1〜2万円で用意できるところが、ISOFIXのベースメントと、専用ベビーシートで6万円くらいかかってしまいます。

しかも、このレポートを書いている2006年10月は、まだ国産汎用ISOFIX製品が存在せず、欧州の汎用ISOFIXシートを、ECE14号規則の適合を受けている最新欧州車で使用するしか、手段はないので、どちらか迷うことすら、ほとんどのユーザー様の方はできません。

早い時期に車や商品が潤うことを願いますが、仮にシートベルト固定のものしか選べないにしても、杞憂する必要はありません。現行商品の中でも、必要十分な安全性は実現できるのですから。


Q 結局、この改正のポイントは何でしょう。
A 世界最高峰といわれる欧州の安全基準を国内基準に採用したことで、一般的なシートベルト固定の場合においても、高い安全性が約束され、全体に安全性の底上げが実現することが一番のポイントでしょう。

ISOFIXの可能性については、さまざまな条件が絡んできそうで、今後の動向を静観したいと思います。現在、アンカレッジを装着した車が1千万台近く日本で走っているわけですが、それらが対象から切り離されてしまったのは残念です。結果的に、2007年以降 新発売もしくはモデルチェンジの新型車両が増えてこないと、何も始まらないという感じです。


 


Baby-Proの視点
国土交通省がまだ運輸省という名前だったころから、日本の安全基準は国連のうたう世界の相互認証を重要視し、ECE/R44導入の方向を向いていました。

Baby-Proが、早くから欧州のチャイルドシート群を推奨してきた理由は、その製品群の実力と、国の方針が合致していたからです。

ECE/R44の導入はすなわち、製品の安全性評価が最高度に厳しくなることを意味しており、日本のチャイルドシートメーカーにも多大な負担を強いるものです。整合化のためにはさまざまな規定の矛盾点を、ひとつひとつ克服しなければなりませんし、車も含め、適合製品の普及を地道に待つ我慢も必要でしょう。

けれど、チャイルドシート後進国と言われた日本が、国際ルールで製品作りに挑むことは、遅れを取り戻すに最適なことですし、逆に世界の各国に共通ルールの採択を促すことにもなり、望ましいことと思います。

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・欧州のチャイルドシートの歴史と技術力。
・日本のチャイルドシートの子供に対するきめ細かな配慮。

これらは互いに学ぶべきものがあります。相互認証の広い舞台で優れた製品が流通することを期待したいと思います。

最後にこのレポートを書くにあたり、各種情報をご提供頂きました業界関係者の方々に厚く御礼申し上げます。


  
2006/10/3   Baby-Pro 森本 博

この情報は公的な資料の集約をしたものではなく、
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